血液と髄液の間には血液髄液関門(BBB)が存在し、血液から髄液中への物質の移行は一定の制限を受けている。
しかし、病的状態においてはBBBは変化をきたし、髄液は異常所見を呈するようになる。
したがって、髄液検査を行い、その変化を知ることは各種神経疾患を診断するうえで重要である。
特に骨膜炎の場合は、治療法を決定(抗ウイルス剤か、抗生物質かなど)するために非常に重要になる。
脊髄液は穿刺にて採取する。 子供でも高熱から起こる脳炎などの診断には子供でも髄液を穿刺します。 交通事故の後遺症なので、疲れやすいなどが主訴の脳脊髄液減少症という珍しい病気もある。
項目 | 基準値又は性状 | 臨床的意義 (↑上昇させる病態、↓低下させる) |
備考 |
髄液 | 100〜150mL | ||
液圧 | 70〜150mmH2O | ↑化膿性疾患、結核性髄膜炎 | 臥位 |
外観 | 無色水様透明 | 黄色調:中枢神経における古い出血巣、白濁:化膿性骨膜炎 | |
比重 | 1.005〜1.007 | ↑炎症性疾患 | |
細胞数 | 0〜5/μL | ↑化膿性骨髄炎、硬膜下腫瘍脳炎、結核性骨膜炎、脳腫瘍 | 髄液中の有核細胞を数え1μL中にいくつとする。Fuchs-Rosenthal計算盤を使用した時には3分のいくつ(A/3)というように表す。 |
総蛋白 | 10〜40mg/dL | ↑化膿性骨髄炎、結核性髄膜炎、脳炎、クモ膜下出血、脳出血 | Kingsbury-Clark法 |
糖質(ク゛ルコース) | 50〜75mg/dL | ↑糖尿病、脳腫瘍、結核性髄膜炎、化膿性髄膜炎 | ブドウ糖酸化酸素法 |
Cl | 120〜125mEq/L | ↑尿毒症、慢性腎炎、↓結核性髄膜炎、化膿性髄膜炎、脳炎 | 電流測定法 |
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